自動車の相続 -宮城県の手続き先-

目次

はじめに

 皆さんこんにちは。宮城県の行政書士水越です。
 相続は突然起きるものです。様々な権利の継承がありますが、自動車の相続が発生することも少なくありません。

「突然のことで何をすれば良いか分からない…」と路頭に迷ってしまうケースもあるのではないでしょうか。今回は自動車の相続手続きについてご説明致します。ご参考にして頂けたら幸いです。

相続とは

 ではまず、相続とは何なのか。相続とは、被相続人(亡くなった方)の権利義務を承継することです。もちろん、全ての権利義務ではありません。その人にしか持ちえない権利義務は承継出来ませんが、今回ご説明する自動車を持つ権利は相続することが可能です。ですから、被相続人が自動車を所有していた場合、継承する人を決めてから今後どのようにしていくかを決定しなければならないのです。

自動車の相続の流れと必要なもの(普通自動車)

 被相続人が自動車の所有者欄に記載されていた場合は、引き続き相続人が使用するときも、売却するときも所有者の名義変更をしなければなりません。これは相続でない場合にも言えるのですが、自動車の名義が異なる人が勝手に売却出来ないことと同じ原理なのです。そこで、まず自動車を継承する代表相続人を決定します。遺言書があれば原則遺言書通りに、遺言書がない場合は遺産分割協議によって決めます。他の遺産を誰に分割するか決まっていない状態でも、自動車を相続する人が決まっていれば大丈夫です。自動車相続専用の遺産分割協議書を作成しましょう。宮城運輸支局のホームページで様式はダウンロード出来ます。そして、以下の書類を提出します。

☆ 普通自動車の相続に必要なもの

・ 遺産分割協議書または遺言書
(遺産分割協議書の場合は相続人全員の実印が必要)
※ 遺産分割成立申立書(自動車の査定額が100万円以下の場合に遺産分割協議書代わりに提出可能。この際、査定証も添付)
・ 車検証
・ 代表相続人の印鑑証明書
・ 代表相続人の実印
・ 被相続人との関係が分かる戸籍謄本等
・ 自動車税納付書
・ 車庫証明書(被相続人と同住所でない場合)
・ 委任状(代理申請する場合)


 普通自動車なので、提出先は陸運支局になります。ここで、申請書・自動車税自動車取得税申告書・手数料納付書を作成します。手数料を支払ったら、印紙を納付書に貼り付けます。これらを提出し受理がされると新しい車検証が交付されます。そして、自動車税の申告と納税という流れになります。
 宮城県の陸運支局の住所は、宮城県仙台市宮城野区扇町3丁目3-15。登録は土日祝日を除く 8:45~12:00、13:00~16:00が受付時間になります。

自動車の相続の流れと必要書類(軽自動車)

 軽自動車の相続の場合は、普通自動車の陸運支局とは異なり、軽自動車検査協会にて行います。また、書類に関しても普通自動車と異なり、以下の通りになります。

☆ 軽自動車の相続に必要なもの

・ 車検証
・ 代表相続人の住民票または印鑑証明書
・ 被相続人との関係が分かる戸籍謄本等
・ 申請代理依頼書(代理申請の場合)


 これらと申請書を一緒に提出し、受理がされたら新しい車検証が交付される流れになります。軽自動車の相続手続きに関しては、遺産分割協議書が不要になるなど、普通自動車の相続手続きより簡素化されています。
 宮城県の軽自動車検査協会の住所は、宮城県仙台市宮城野区中野4丁目1-38。業務受付は土日祝日を除く8:45~12:00、13:00~16:00が受付時間になります。

まとめ

 以上が、自動車の相続手続きに関してでした。とにかく重要なのは、被相続人の名義のままではなく、しっかりと自動車を相続人の名義に変更して今後に展開していくことです。また、同住所でない者が自動車を継承した場合には車庫証明が必要になってきます。車庫証明を取得しなければ、手続きが滞ってしまいますので注意しましょう。
 今回の記事を読んで、自動車の相続手続きの参考にして頂けたら幸いです。本記事をお読み頂き、誠にありがとうございました。