薬局開設許可要件 業務体制②

目次

はじめに

 皆さんこんにちは。宮城県の行政書士水越です。薬局開設許可の要件として、業務体制要件があります。薬局さんの業務体制に関しての要件で、勤務時間や人員などが決められている部分があります。今回は、仙台市の薬局開設許可要件の業務体制②に関して解説いたします。ご参考にして頂けたら幸いです。(2022年7月現在)

薬局開設許可 業務体制その②

 薬局開設許可要件は審査基準や指導指針に基づき、要件が規定されています。業務体制に関しては簡単にまとめると以下の通りです。

☆調剤の業務に係る医療の安全を確保するための指針の策定
・調剤の業務に係る医療の安全を確保するための指針を策定すること。

☆調剤された薬剤の情報提供、調剤業務に係る適正管理等の指針の策定
・調剤された薬剤の情報提供その他の調剤の業務に係る適正な管理を確保するための指針を策定すること。

☆医薬品の情報提供、販売業務に係る適正管理等の指針の策定
・医薬品の情報の提供その他の医薬品の販売又は授与の業務に係る適正な管理を確保するための指針を策定すること。

※ 医薬品の業務に係る医療の安全を確保するための指針には次の事項を含むこと。
(1) 薬局における医薬品の業務に係る医療の安全を確保するための基本的な考え方に関すること。
(2) 従事者に対する研修の実施に関すること。
(3) 医薬品の使用に係る安全な管理(以下「安全使用」という。)のための責任者に関すること。
(4) 従事者から薬局開設者への事故報告の体制に関すること。
(5) 医薬品の安全使用並びに調剤された薬剤及び医薬品の情報提供のための業務に関する手順書の作成及びこれに基づく業務の実施に関すること。
(6) 医薬品の安全使用のために必要な情報の収集に関すること。
(7) 患者からの相談の対応に関すること。
(8) (1)~(7)までに掲げるほか、医薬品の業務に係る医療の安全を確保することを目的とした改善のための方策の実施に関すること。

☆医薬品安全管理責任者の設置
・医薬品の安全使用のための責任者(以下「医薬品安全管理責任者」という。)は、医薬品に関する十分な知識を有する常勤薬剤師であること。
ただし、薬局の管理者が医薬品安全管理責任者を兼務することとしても差し支えない。

☆事故報告体制
・薬局開設者は、薬局において発生した医薬品の業務に係る事故等の情報に関し、従事者から迅速な報告がなされるよう、報告に関する手順書や報告すべき情報の範囲など明示し、体制の整備を図ること。

☆手順書の作成
・医薬品の安全使用並びに調剤された薬剤及び医薬品の情報提供のための業務に関する次の事項を含む手順書を作成すること。手順書は必要に応じて見直しを行うこと。
(1) 薬局で取り扱う医薬品の購入に関する事項
(2) 医薬品の管理に関する事項(医薬品の保管場所、法令により適切な管理が求められている医薬品(麻薬・向精神薬、覚醒剤原料、毒薬・劇薬、特定生物由来製品、要指導医薬品、第1類医薬品、指定第2類医薬品等)の管理方法等)
(3) 一連の調剤の業務に関する事項(患者情報(薬剤の服用歴、医療機関の受診等)の収集、疑義照会方法、調剤方法、調剤器具・機器の保守・点検、処方箋や調剤薬の監査方法、患者に対する服薬指導方法等)
(4) 医薬品情報の取扱い(安全性・副作用情報の収集、管理、提供等)に関する事項(在宅患者への医薬品使用に関する事項を含む。)
(5) 事故発生時の対応に関する事項(事故事例の収集の範囲、事故後対応等、事故の報告に関する事項)
(6) 他施設(医療機関、薬局等)との連携に関する事項

︎☆無菌調剤室の共同利用
・無菌調剤室提供薬局と処方箋受付薬局の間で共同利用に関して必要な事項を記載した契約書等を事前に取り交わしておくこと。契約書等には、少なくとも以下の内容を含むこと。
(1)処方箋受付薬局の薬局開設者が、事前に無菌調剤室提供薬局の薬局開設者の協力を得て講じなければならないとされている指針の策定、当該薬剤師に対する研修の実施その他必要な措置について、その具体的な内容を定めておくこと。
(2)無菌調剤室を利用する処方箋受付薬局の薬剤師から処方箋受付薬局の薬局開設者及び無菌調剤室提供薬局の薬局開設者の双方に対し、無菌調剤室を利用した無菌製剤処理に係る事故等が発生した場合に、速やかに報告する体制を定めておくこと。

薬局開設許可要件 業務体制①

目次 はじめに  皆さんこんにちは。宮城県の行政書士水越です。薬局開設許可の要件として、業務体制要件があります。薬局さんの業務体制に関しての要件で、勤務時間や人…

まとめ

 以上が、薬局開設許可 業務体制②についてでした。宮城県仙台市の基準となっておりますので、ご注意頂けたらと存じます。これまで紹介してきた構造設備や業務体制の他に、人的要件等があります。こちらは、申請者の要件を満たしていることや欠格事項に該当しないことなどといったもので、診断書や疎明書の記載事項に該当しないことが要件です。なお、行政書士以外の者が許可代行を行い、報酬を得ることは行政書士法違反となりますのでご注意ください。弊事務所では、薬局開設許可申請の代行を承っております。ご自身で許可を取得する時間ない方などお気軽にご相談ください。本記事をお読み頂き、誠にありがとうございました。