薬局開設許可要件 構造設備④
目次
はじめに
皆さんこんにちは。宮城県の行政書士水越です。薬局開設許可の要件として、構造設備要件があります。薬局さんの構造や設備に関しての要件で、数値が細かく決められている部分もあります。今回は、仙台市の薬局開設許可要件の構造設備④に関して解説いたします。ご参考にして頂けたら幸いです。(2022年7月現在)
薬局開設許可 構造設備その④
薬局開設許可要件は審査基準や指導指針に基づき、要件が規定されています。構造設備に関しては簡単にまとめると以下の通りです。
︎ ☆第 1 類医薬品陳列区画
・第 1 類医薬品を陳列せずに販売する場合は、保管管理が適切に行える設備を設けること。
・購入者等が進入することができないよう必要な措置とは、社会通念上、カウンター等の通常動かすことのできない構造設備により遮断することで従事者以外の者が進入できないような措置であること。
・第 1 類医薬品陳列区画の閉鎖方法は、シャッター、パーティション、チェーン等の構造設備により物理的に遮断さ れ、進入することが、社会通念上、困難なものであることとし、可動式の構造設備の場合には、従事者以外の者が動か すことができないような措置をとること。また、閉鎖する際は、当該区画で医薬品の販売又は授与を行えないことが明 確に判別できるようにすることとし、閉鎖した区画の入口に専門家不在時の販売又は授与は法に違反するためできない 旨を表示すること。
︎☆第 1 類医薬品陳列区画の閉鎖に関するただし書き
・第1類医薬品陳列区画の閉鎖に関し、鍵をかけた陳列設備に第 1 類医薬品を陳列している場合は、この限りでない。
︎☆情報を提供するための設備
・情報を提供するための設備は、相談カウンター等、薬剤師または登録販売者が購入者等と対面して情報提供を行うことができる通常動かすことのできないものであること。情報提供設備は整理整頓し、常に使用できる状態を保つこと。情報を提供する設備であることが、購入者等に容易にわかるような措置を講ずること。
・情報を提供するための設備は、調剤室に近接して設けること。
・近接する場所とは、調剤された薬剤又は薬局用医薬品、要指導医薬品および第1類医薬品に係る情報提供に支障を生じない範囲内であること。
・購入者等が進入できないよう必要な措置とは、社会通念上、カウンター等の通常動かすことのできない構造設備により遮断することで従事者以外の者が進入できないような措置であること。
・各階の医薬品を通常陳列し、又は交付する場所に情報を提供するための設備を設けること。
︎☆調剤に必要な設備及び器具
・設備及び器具
イ 液量器
ロ 温度計(100 度)
ハ 水浴
ニ 調剤台
ホ 軟膏板
ヘ 乳鉢(散剤用のもの)及び乳棒
ト はかり(感量 10mgのもの及び感量 100mgのもの)
チ ビーカー
リ ふるい器
ヌ へら(金属製のもの及び角製又はこれらに類するもの)
ル メスピペット
ヲ メスフラスコ又はメスシリンダー
ワ 薬匙(金属製のもの及び角製又はこれに類するもの)
カ ロート
ヨ 調剤に必要な書籍(磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができるもの
を含む。)をもって調製するものを含む。以下同じ。)
・設備及び器具(イからカ)は、求められる性質と同等以上の性質を有していれば足りる。液量器については、小容量(50cc未満)及び中~高容量(50cc以上)のものを各1つ以上備えることが望ましい。
・調剤に必要な書籍は、次に揚げる1から3(1)(2)までの項目毎に指導指針で例示する書籍を参考に 1 冊以上備えること。
1.日本薬局方及びその解説に関するもの
2.調剤技術に関するもの
3.管理者義務遂行に必要な書籍
(1)薬事関係法規に関するもの
(2)当該薬局で取り扱う医薬品の添付文書に関するもの
調剤に必要な書籍は以下に例示するものまたは同等以上の内容であり、最新のものであること。
1.日本薬局方及びその解説に関するもの
イ. 日本薬局方解説書
ロ.日本薬局方条文と注釈
ハ.日本薬局方JPDIセット版
2.調剤技術に関するもの
イ.調剤指針
3.管理者義務遂行に必要な書籍
(1)薬事関係法規に関するもの
イ.薬事衛生六法
ロ.衛生行政六法
ハ.薬事実務便覧
(2)当該薬局で取り扱う医薬品の添付文書に関するもの
イ.各製造販売業者が作成する添付文書集
ロ.当該薬局で取り扱う医薬品の添付文書をファイルしたもの
・そのデータが CD-ROM 等の記憶媒体や自ら管理するサーバー等に保存されている場合も書籍とみなすことがで きる。
︎☆適切な監督を行うための必要設備
・特定販売の実施方法に関する適切な監督を行うための必要な設備として次の設備を有すること。
1. 画像を記録する設備→ 画像を記録する設備とはデジタルカメラ等であること。
2. 画像を送信する設備→ 画像を送信する設備とはパソコン等であること。
3. 通信に必要なメールアドレス→ 通信に必要なメールアドレスとはフリーメールや WEB メールのアドレスではないこと。
4. 音声を送受信する設備→ 音声を送受信する設備とは閉店後に対応可能な電話機を有すること。
︎☆障害を有するとき
・ 薬局開設者は、自ら視覚、聴覚若しくは音声機能若しくは言語機能に障害を有する薬剤師若しくは登録販売者であるとき、又はその薬局において薬事に関する実務に従事する薬剤師若しくは登録販売者が視覚、聴覚若しくは 音声機能若しくは言語機能に障害を有するときは、保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、必要な設備の設置 その他の措置を講じなければならない。
・薬剤師又は登録販売者が次の障害を有する者に該当する場合は、障害の内容及び程度を勘案した上で、それぞれ各 号に規定する設備を設けること。
イ.視覚の障害を有する者
拡大器等
ロ.聴覚若しくは言語障害又は音声機能の障害を有する者
ファクシミリ装置等
まとめ
以上が、薬局開設許可要件その4についてでした。宮城県仙台市の基準となっておりますので、ご注意頂けたらと存じます。またこの他にも要件はございますので、ご確認ください。なお、行政書士以外の者が許可代行を行い、報酬を得ることは行政書士法違反となりますのでご注意ください。弊事務所では、薬局開設許可申請の代行を承っております。ご自身で許可を取得する時間ない方などお気軽にご相談ください。本記事をお読み頂き、誠にありがとうございました。