建設業許可要件 -6つの要件-

目次

はじめに

 皆さんこんにちは。宮城県の行政書士水越です。
 建設業許可の要件は具体的に何があるんだろう?と疑問に思われている方はいらっしゃいませんか?建設業許可を申請する上で必ず必要になる事項なので把握しておかなければなりませんよね!

「許可の要件を揃えることは出来るのだろうか…」とお考えの方!要件が厳しかったり、そもそも細かい内容が分からないと不安ですよね。本日は建設業許可の6つの要件について纏めてみました!ご参考にして頂けると幸いです。

建設業許可要件とは

 建設業許可を受けるには、まず絶対に必要な要件があります。それが後述する6つの要件なのですが、項目によっては大きな壁になっています。要件を満たしてなければ、当然建設業許可は下りませんので、各項目ごとクリアすることが出来るか要件の内容と会社の状況を照らし合わせて確認していくことが大切です。各要件については以下の通りになります。(2021年9月現在)

① 経営業務の管理責任者等の設置

 建設業を営むにあたり、しっかりと適切な経営能力のある方がいなければなりません。その為、一定期間経営の業務に携わった経験のある方を設置することが必要です。そしてその方は一時的に会社にいれば良いものではなく、常に会社にいること(常勤性)が求められます。具体的な要件基準は、以下の通りです。

☆ 経営業務の管理責任者等の基準
・ 経営業務の管理責任者として、建設業の経営業務を管理した経験が5年以上ある者
・ 経営業務の管理責任者に準ずる地位として、建設業の経営業務を管理した経験が5年以上ある者
・ 経営業務の管理責任者に準ずる地位として、建設業の経営業務管理責任者を補助した経験が6年以上ある者

※ 建設業の財務管理・労務管理・業務運営に関して5年以上の業務経験を有する直接補佐者が必要な場合は以下の者

・ 役員等として建設業の経験が2年以上あり、それを含めた財務管理・労務管理・業務運営につき役員等または役員等に次ぐ職制上の地位における建設業の経験が5年以上ある者
・ 役員等として建設業の経験が2年以上あり、それを含めた役員等(建設業以外での)としての経験が5年以上ある者

 以前勤めていた会社が建設業許可を取得していた場合、取得していなかった場合などでも証明する書類が変わってきます。状況に応じて証拠書類を揃える必要がありますので、しっかりと把握しておきましょう。

② 専任技術者の設置

 発注者からの依頼を受けて、しっかりと施工していくには専門的な技術のある方がいなければなりません。そういったことから一般建設業と特定建設業で区別されますが、一定の基準を満たした専任技術者を設置することが必要です。そしてその方は、経営業務の管理責任者等と同様に常に会社にいること(常勤性)が求められます。具体的な要件基準は、以下の通りです。なお、指定学科や資格票は手引きをご参照ください。

☆ 専任技術者の要件基準
➡ 一般建設業
建設業に係る建設工事に関して…
・高校で指定学科を卒業後5年以上の実務経験を有する者または大学で指定学科を卒業後3年以上の実務経験を有する者
・10年以上の実務経験を有する者
・上記と同等またはそれ以上の知識や技術、技能を有すると認められた者(資格票に該当する者、国土交通大臣が認めた者)

➡ 特定建設業
建設業に係る建設工事に関して…
・2年以上の指導監督的実務経験を有する者
・資格票の◎に該当する者
・国土交通大臣が、上記に掲げる者と同等以上の能力を有すると認めた者(指定建設業を除く)

 経営業務の管理責任者に並び、証明する資料を揃えるのが大変なのが、専任技術者要件です。該当する国家資格をお持ちであれば、資料は少なく済みますが、そうもいかないのがこの要件になります。

③ 誠実性

 法人としても個人としても請負契約に関して誠実であることという要件です。法人の場合は法人・役員・政令で定める使用人が、個人の場合は本人または政令で定める使用人が誠実であること。また暴力団など反社会的勢力に関わっていないことが挙げられます。

④ 財産的基礎の有無

 請負契約をするにあたり、それを履行可能な財産を有しているかを要件としています。

☆ 一般建設業
・ 自己資本が500万円以上
・ 500万円以上の資金調達能力を有する
・ 直前の5年間で許可を受け、継続営業の実績があること、かつ現在も許可を有する

☆ 特定建設業
・ 請負契約で、請負代金が8,000万円以上の者を履行可能な財産を有していること

 一番オーソドックスな一般建設業許可では、残高証明書もしくは直近の決算書の純資産が500万円以上あることで証明出来ます。

⑤ 社会保険の加入

 適切な社会保険の加入も要件になりました。健康保険、厚生年金保険、雇用保険へ加入義務がある事業者に関しては、加入しなければなりません。

⑥ 欠格要件

 欠格要件に該当する場合は許可が下りません。法人役員、個人事業主本人や使用人が成年被後見人や被保佐人であったり、営業停止命令や刑に処せられて5年が経過していない者などが挙げられます。また不正や虚偽申請などといったことも欠格要件になります。

 法務局で取得する「登記されていないことの証明書」で証明します。取得する際は、建設業許可申請で使用すると伝えましょう。

まとめ

 以上が、建設業許可の6つの要件についてでした。特に、経営業務の管理責任者等と専任技術者の設置に関しては、頭を悩ませる部分があるかと存じますので、要件と状況を鑑みながら計画していきましょう。
 今回の記事を読んで、内容の細かい部分で分からないことやご自身で出来るか不安だという方などがいらっしゃいましたら、宮城県以外の方でも是非お気軽にご相談ください。弊事務所でしっかりサポートさせて頂きます。本記事をお読み頂き、誠にありがとうございました。