自筆証書遺言で手軽に -4つの特徴-
目次
はじめに
皆さんこんにちは。宮城県の行政書士水越です。
遺言書を作成するか迷われていて「遺言書作成の費用を出来るだけ抑えたい場合はどうすれば良いのだろう?」とお考えの方はいらっしゃいませんか?費用を抑えつつ、しっかりと保管が出来る方法があると選択肢の一つに出来ますよね。
「費用を抑えることが出来ても、どんなことがデメリットになってしまうのか分からない…」とお考えの方!そのような遺言作成方法においてメリットとデメリットを把握しておきたいですよね。本日は、費用を抑えて手軽に遺言作成が出来る、自筆証書遺言についての4つの特徴を纏めてみました。ご参考にして頂けると幸いです。
自筆証書遺言作成の流れ
まず、自筆証書遺言作成の流れを簡単にお示し致します。
① 相続人の調査
② 財産調査
③ 原案作成
④ 自筆で作成
⑤ 保管
以上が大まかで簡単な流れになります。手順自体は簡単ですが、自筆証書遺言で特徴的なものを4つに絞って纏めさせて頂きます。
特徴① 作成方法
自筆証書遺言は、公証人との打ち合わせ等を経て公証人に作成してもらう公正証書遺言とは異なり、本文を必ず自筆で作成します。誰が相続人で、どれくらい財産があるかということの調査は共通しています。しかし、自分が好きなときに手軽に作成することが出来ます。本文は自筆で作成する必要がありますが、財産目録(相続若しくは遺贈させる財産の一覧)に関しては、自筆で作成する必要はなく、パソコンで作成して構いません。公正証書遺言に比べて、手数料が掛からないという点と、公証役場に出向かなくて良い点がメリットであります。
特徴② 保管方法
自筆証書遺言は、ご自身で保管する方法と法務局に手数料を支払って保管してもらう方法があります。
ご自身で保管する場合は、紛失や改ざんのリスクがある点や、発見してもらえない可能性がある点がデメリットです。反対に、費用が掛からないというメリットがあります。法務局で保管してもらう場合は、費用が若干掛かるというデメリットはありますが、紛失や改ざんのリスクはありません。また、遺言書発見時の検認手続きが不要な点もメリットになります。しかし、検認手続き不要=内容に不備がないというわけではありませんので注意が必要です。
特徴③ 法務局での保管の際の作成方法
自筆証書遺言は、法務局で保管してもらうことが可能です。しかし、その際にはいくつか注意が必要です。まず、遺言を作成する紙としては、A4サイズで地紋や彩色などがない用紙です。本文の識別を妨げるようなデザインは避けましょう。さらに、遺言書に余白を開ける必要があります。上5㎜以上、下10㎜以上、左20㎜以上、右5㎜以上となります。本文はもちろん、添付する財産目録も余白を開けなければなりません。
ちなみに宮城県の法務局は、本局である仙台法務局、石巻支局、大河原支局、気仙沼支局、塩釜支局、登米支局、古川支局、名取出張所になります。ご注意いただきたいのは、名取出張所では遺言の保管は行っておりません。県南の方はご注意頂けたらと存じます。
特徴④ 確実性は公正証書遺言に劣る
先述の通り、自筆証書遺言の法務局保管制度を活用した場合、検認手続きは不要ですが、遺言内容の詳細に不備がある場合には指摘頂けません。つまり、いざ遺言書を開封したものの遺言内容に不備があったため、遺言が無効になることもあるのです。そういった意味では、確実に遺言を残したい方には自筆証書遺言のおすすめは出来ません。
まとめ
以上が、自筆証書遺言の特徴4つについてでした。自筆証書遺言の法務局保管制度により、遺言書の保管方法に関しての選択肢は広がりました。以前の自筆証書遺言に比べると、作成はしやすくなっているのではないでしょうか。そのような中でも各遺言のメリットやデメリットがあるので、ご自身に合った最適な作成方法を選択されてみると良いかと存じます。
今回の記事を読んで、何か分からないことやご自身で出来るか不安だという方などがいらっしゃいましたら、宮城県以外の方でも是非お気軽にご相談ください。弊事務所でしっかりサポートさせて頂きます。本記事をお読み頂き、誠にありがとうございました。