法定相続人の判断 -3つのパターン-

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はじめに

 皆さんこんにちは。宮城県の行政書士水越です。
 相続の場面において「うちは一体誰が相続することになるのだろう?」とお考えの方はいらっしゃいませんか?行政書士に相続を代行することも可能ですが、いざ相続をするという前に把握しておくことも大切です!

「大家族の場合や構成が複雑だったら把握するのが難しそう…」とお考えの方!大丈夫です。法定相続人は基本とパターンを抑えておけば把握することが出来ます。本日は法定相続人のパターンを3つに纏めてみました!ご参考にして頂けると幸いです。

法定相続人の基本事項と注意点

 法定相続人とは、民法上被相続人(亡くなった方)の財産上の権利や義務を引き継ぐことを定められた相続人のことです。こちらに連動する形で各相続人の承継割合が目安として決められており、その割合を法定相続分と言います。あくまでも目安です。
 ただ法定相続人であるからといって、必ずしも相続することが出来るとは限りません。それは相続人の廃除と相続欠格です。相続人の廃除とは、相続人になるであろう人物から侮辱や非行などがあった場合、その人物を相続人から廃除する請求を家庭裁判所に出来るというものです。また相続欠格とは、被相続人や他の相続人を死亡または死亡させようとした人や詐欺・脅迫を行って相続させようとした人などが相続欠格者となります。相続人の廃除とは異なり、相続欠格は強制的に相続権を剥奪します。当然ではありますが、法定相続人だからといって何をしても良いというわけでは絶対にないのです。
 法定相続人としては、配偶者がいる場合は必ず配偶者は相続人になり、配偶者の法定相続分は第一順位の場合は2分の1、第二順位の場合は3分の2、第三順位の場合は4分の3です。配偶者以外には上記のように順位が設けられており、第一順位から優先的に第三順位までの相続人で承継する相続人を決定していきます。以下の3パターンで解説して参ります。

① 第一順位 子または孫など

 法定相続人の第一順位は子または孫などです。被相続人から見た子または孫などは「直系卑属」と呼ばれます。法定相続分は2分の1×子(または孫)の人数になります。ここでの「孫など」ですが、万が一被相続人から見た「子」が先に亡くなっていて、被相続人から見た「孫」がいた場合には「孫」が「子」の代わりに相続する形になります。これを「代襲相続」と呼び、行きつく先に誰かがいる限り遡って相続します。例えば、3人の兄弟がいて長男が亡くなっていたが、その長男のみに子(被相続人から見て孫)がいた場合は、その子(被相続人から見て孫)に引き継がれます。このときの法定相続人は、長男の子(被相続人から見て孫)、次男、三男という形になります。代襲相続で遡る先がなければ、次の順位へと流れます。

② 第二順位 両親または祖父母など

 第二順位は両親または祖父母などになり、被相続人から見た両親または祖父母などは「直系尊属」と呼ばれます。被相続人の子や孫がいない場合に当てはまります。法定相続分は3分の1×両親(または祖父母)の人数になります。

③ 第三順位 兄弟姉妹または甥姪

 第三順位は兄弟姉妹または甥姪です。被相続人に子や孫、両親や祖父母などがいない場合に当てはまります。被相続人の兄弟姉妹が亡くなっている場合は、第一順位と同様に代襲相続し甥姪に相続権が移ります。ここで注意しなければならないのは、第一順位の場合は誰かに行き着く限り代襲(再代襲)していましたが、第三順位の場合は甥姪までです。法定相続分は4分の1×兄弟姉妹(または甥姪)の人数になります。

まとめ

 以上が、法定相続人の3つのパターンについてでした。配偶者の有無、ご親族の状況により該当する順位が変化して参りますが、誰が法定相続人になるのかがお分かり頂けたかと存じます。また、法定相続分はあくまでも目安ではありますが、ご家族が円満円滑に相続出来るよう参考にして頂けたらと存じます。なお、第三順位の甥姪まで法定相続人がおらず、かつ配偶者もいない場合は相続人不存在ということになります。この場合は、利害関係人の申し立てにより、財産は国庫に帰属することになりますので、どうしても遺贈したい方がいる場合は遺言を作成しておくと良いでしょう。
 今回の記事を読んで、何か分からないことやご自身で手続き出来るか不安だという方がいらっしゃいましたら、宮城県以外の方でも是非お気軽にご相談ください。弊事務所でしっかり手続き代行サポートさせて頂きます。本記事をお読み頂き、誠にありがとうございました。