事業再構築補助金 第6回公募からの内容
目次
はじめに
皆さんこんにちは。宮城県仙台市の行政書士水越です。
2022年3月24日で事業再構築補助金第5回公募分が締め切られ、次回からは第6回公募が開始されます。
「申請するつもりだったけれど、要件や枠組みなどが変更されていたらどうしよう…」と申請に慎重になっていらっしゃる方も少なくないかと存じます。今回は、事業再構築補助金第6回公募からの変更点について纏めてみました。ご参考にして頂けたら幸いです。
事業再構築補助金と要件の変更
まず、事業再構築補助金とはどのような補助金制度なのでしょうか。以前の記事を参考にしてみてください。
事業転換等をお考えの方に
目次 はじめに 皆さんこんにちは。宮城県の行政書士水越です。 新型コロナウイルスが猛威を振るう中、事業の変革を行う事業者様も多いかと存じます。そのような事業を…
リンクの記事にも記載してある通り、第6回公募から売上減少要件が緩和されます。2020年4月からの連続した6か月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、コロナ以前と比較して10%以上減少していることのみに変更となりました。第5回公募までは2020年10月以降も売上高5%以上減少という要件があったのですが、この変更により、早期から売り上げ回復をしていた事業者様なども申請に踏み込めるようになりました。
枠組みの変更点
先述の要件変更に加え、特別枠の新設・撤廃があります。
① 回復・再生応援枠の新設と緊急事態宣言特別枠の撤廃
まず、回復・再生応援枠の新設です。こちらの枠組みは、①コロナ禍での売上減少が著しく、2021年10月以降のいずれかの月の売上と2019年又は2020年の同月比で売上が30%以上減少していること。若しくは、②財政支援協議会等のスキームに則り再生計画を策定していることのいずれかが要件になります。補助上限額は5人以下なら500万円、6人以上20人以下なら1000万円、21人以上なら1500万円になります。補助率は中小企業は4分の3、中堅企業で3分の2です。
なお、これにより前回までの緊急事態宣言特別枠は撤廃されます。主要な設備の変更という要件も緩和されるとのことで、現状の事業で再起をかける事業者様に最適な枠組みかと存じます。
② グリーン成長枠の新設と卒業枠・グローバルV字回復枠の撤廃
続いてグリーン成長枠の新設です。こちらの枠組みは、日本政府が推進しているグリーン成長戦略に関連する14分野(再生可能エネルギー、カーボンリサイクル産業、資源循環関連産業など)の課題解決に取り組む事業を補助するというものです。
要件としては、①事業再構築指針に沿った事業計画を認定支援機関と策定すること。②補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均5.0%以上増加または従業員一人当たり付加価値額の年率平均5.0%以上増加を見込んだ事業計画を策定すること。③グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取り組みとして記載のあるものに該当し、2年以上の研究開発・技術開発または従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うことの3点になります。補助額は、中小企業で100万円~1億円、中堅企業で100万円~1億5000万円になります。補助率は中小企業で2分の1、中堅企業で3分の1です。
なお、これにより前回までの卒業枠・グローバルV字回復枠は撤廃されます。グリーン成長枠は他の枠とは異なり、売上減少要件がありません。グリーン成長戦略の要件等を満たす新たな事業で、付加価値を創出していきたい事業者様向けの枠組みになります。
その他の変更点
その他の変更点としては以下のものが挙げられます。
① 通常枠の補助上限額の縮小
従来、通常枠の補助上限額としては20人以下は4000万円、21人以上50人以下は6000万円、51人以上は8000万円となっていました。しかし、第6回公募からは20人以下は2000万円、21人以上50人以下は4000万円、51人以上100人以下は6000万円、101人以上は8000万円となります。従業員規模の細分化も図られ、限られた財源で多くの事業者様を支援していくというものです。
② 補助対象経費の見直し
建物費は、原則回収の場合に限ることになります。また、研修費に関しては補助対象経費総額の3分の1が上限となります。
③ 複数企業等連携型
1者あたり革新性類型の上限額を上限として、最大20社まで連携して申請することが認められます。なお、売上高10%減少要件は①各者で要件を満たすこと、若しくは②連携体合算で要件を満たすことになります。
④ 事前着手対象期間
申請前に着手したものを遡及することが出来る事前着手制度。第5回までは2021年2月15日以降に着手して発生したものを対象経費としていましたが、第6回からは2021年12月20日以降に変更となります。
まとめ
以上が、事業再構築補助金第6回公募からの内容についてでした。令和4年にさらに3回程度の公募を予定しているとのことですが、締め切りもありますので、申請を検討されている方は早めの計画策定をおすすめ致します。弊事務所では、補助金に欠かせない事業計画書作成等の補助金申請サポートを承っております。宮城県仙台市以外の方でも是非お気軽にご相談ください。本記事をお読み頂き、誠にありがとうございました。