事業転換等をお考えの方に

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はじめに

 皆さんこんにちは。宮城県の行政書士水越です。
 新型コロナウイルスが猛威を振るう中、事業の変革を行う事業者様も多いかと存じます。そのような事業を転換したい事業者様向けの補助金があるのはご存じでしょうか?事業再構築補助金といい、新型コロナウイルスに対応していく為の新たな取り組みを補助してくれる制度です。

「新しく事業を展開していきたいけれど、どのような枠組みがあるのか分からない…」と思われることもあるのではないでしょうか。そういった不安を解消出来るよう、今回は事業再構築補助金について解説致します。ご参考にして頂けたら幸いです。(2022年3月現在)

事業再構築補助金とは

 それでは、事業再構築補助金とはどのような補助金なのでしょうか。事業再構築補助金とは、新型コロナウイルスの影響を受け、現状の事業を継続していくことが困難な為、思い切った事業の転換等を行っていくことを補助する制度です。コロナの影響で事業の継続が見込めない、コロナに対応した新たな事業で活路を見出していくといった趣旨になります。簡易的な例として、日本料理屋さんから焼肉屋さんに事業転換するというものです。この例のポイントは「換気の良さ」になります。事業再構築補助金の趣旨であるウィズコロナという観点から換気の良さによる感染リスクの低さが重要になってくるのです。
 対象となる事業者様は、中小企業等と中堅企業になります。大企業を除くほとんどの事業者様が当てはまるかと存じます。補助対象経費の例としては、建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、外注費、広告宣伝費・販売促進費、研修費等になります。また、事業者様の状況や新たな事業内容により申請する枠組みが変わってきます。通常枠の他、特徴のある特別枠がございますので、ご注意頂けたらと存じます。

3つの必須申請要件について

 事業再構築補助金には、3つの必須申請要件があります。まずこちらを満たした上で、更にそれぞれの事業者様の今後の取り組みに応じた要件をクリアする必要があるのです。では、その最初の部分の3つの要件についてご説明致します。

① 売上減少要件
 1つ目は、売上減少要件です。
(a)コロナ流行前の2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3ヶ月の合計売上高と比較して10%以上減少していること。
(b)2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、コロナ以前の同3ヶ月の合計売上高と比較して5%以上減少していること。
 以上2つの売上減少要件を満たす必要があります。なお、こちらで満たせなくても、(a)の期間の合計付加価値額が15%以上減少、(b)の期間の合計付加価値額が7.5%以上減少していることでも申請は可能です。

※ 追記
 上記の売上減少要件は、第5回公募までです。第6回公募より(a)の2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3ヶ月の合計売上高と比較して10%以上減少していることのみに緩和されました。

② 認定支援機関要件
 2つ目は、認定支援機関要件です。
 こちらの要件は、事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組むことです。認定支援機関とは、中小企業支援に関する専門知識や実務経験を備えた機関です。商工会議所や金融機関などが挙げられます。事業再構築補助金では、こういった機関に相談をした上で事業計画を策定していかなければなりません。

③ 事業再構築指針要件
 3つ目は、事業再構築指針要件です。
 こちらの要件は、補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成です。
 付加価値額とは、営業利益+減価償却費+人件費で算出されます。事業として利益、設備投資、生産力を生み出していける取り組みかどうかがポイントになります。

まとめ

 以上が、事業再構築補助金の概要についてでした。補助金は後払いになりますし、100%採択されるわけではないので、ある程度資金に余裕がある状態で申請して頂けたらと存じます。また、事業計画書や経営計画書の作成、補助事業実施期間後の実施報告書の作成も必要になります。事業の取り組みが自社及び経済にどのような影響をもたらすのかがカギになりますので、綿密な事業計画を立てていきましょう。
 計画書作成や申請書記入が面倒…とお悩みの場合は、是非弊事務所でご相談ください。補助金にかかせない事業計画書の作成サポートをはじめとした申請サポートを行っております。宮城県以外の方でもお気軽にお問い合わせください。本記事をお読み頂き、誠にありがとうございました。