主任技術者・監理技術者の兼任について

目次

はじめに

 皆さんこんにちは。宮城県仙台市の行政書士水越です。工事現場において、主任または監理技術者の配置が必要になります。原則、一つの工事に一人の主任・監理技術者を配置することとなっており、同じ日同じ期間に別な工事に同じ技術者を置くことは出来ません。しかし、例外があるとされています。今回は、主任技術者・監理技術者の兼任について解説致します。ご参考にして頂けたら幸いです。(2023年1月現在)

主任技術者・監理技術者とは

 まず、主任技術者と監理技術者についてご説明致します。主任技術者は、1級または2級の施工管理技士や10年以上の実務経験がある方などがなることが出来ます。建設業許可をお持ちの事業者様は、軽微な工事(500万円未満)であっても配置をしなければなりません。監理技術者は、1級の施工管理技士などがなることが出来ます。こちらは、元請業者が下請金額4,500万円以上(建築一式の場合7,000万円以上)の工事を行う場合に配置が必要となります。このことから、特定建設業許可をお持ちの事業者様は、監理技術者の設置が必要となるケースがあるということです。
 なお、上記の主任技術者や監理技術者は、施工する会社と直接的かつ恒常的な雇用関係でなければなりません。そして、これらの技術者は一つの工事に一人配置することとなるので、同一の工期に別の工事があった場合には別の技術者を配置しなければなりません。基本的に、同じ日程で別の工事現場の主任技術者や監理技術者は兼任出来ないということです。

兼任出来る例外がある

 しかし、同じ日程の工事でも兼任出来る例外があります。それは、密接な関係のある建設工事かつ同一の建設業者が、同一の場所または近接した場所で施工をする工事です。例えば、ある交差点のA区画と同一交差点の隣接するB区画などといった場合です。ただし、こちらは主任技術者のみとなります。
 監理技術者の兼任が出来る例外に関しましては、契約工期の重複する複数の請負契約に係る工事かつ工事の対象となる工作物等に一体性があるもので、請負金額が4,000万円未満(建築一式は8,000万円未満)の場合のみです。下請金額ではなく、請負金額という点に注意しましょう。

まとめ

 以上が、主任技術者・監理技術者の兼任が出来る例外についてでした。これらの技術者は兼任が出来ないと考えがちですが、ケースによっては兼任が可能であることを覚えておきましょう。工事経歴書に主任技術者等を記入する部分がありますので、迷われたり分からない部分がありましたら、弊事務所にお任せください。本記事をお読み頂き、誠にありがとうございました。