建設業と電子契約

目次

はじめに

 皆さんこんにちは。宮城県の行政書士水越です。昨今の電子化により、紙が主流だった契約書も電子契約になっているケースが多いです。しかし、紙での契約書でなければ認められないケースも中にはあります。今回は、建設業と電子契約について解説致します。(2022年8月現在)

建設業許可での必要書類

 建設業許可を申請する際の証明書類として、工事の請負契約書があります。経営業務の管理責任者や専任技術者として要件を満たしているか、工事の請負契約書は判断材料の一つになっています。
 ただ、経営業務の管理責任者にしろ専任技術者にしろ、工事の請負契約書を要件の期間分用意するとかなり膨大な数になります。特に専任技術者の実務経験10年以上の要件は、自治体によってバラツキがありますが、宮城県の建設業許可は1か月に1つなので、120ヶ月分以上の工事請負契約書の準備が必要です。

建設業と電子契約

 建設業許可申請の際は、紙媒体で申請するのは変わりませんが、保存だけでも電子媒体で出来たら良いのではとお考えの方も少なくないかと存じます。ですが、そもそも建設業の工事請負契約書は電子契約して良いものなのでしょうか。
 結論から申し上げますと、電子契約で問題ありません。建設業法施工規則第13条で、「契約の相手方が本人であることを確認することができる措置を講じていること」という部分が取り沙汰されました。「契約当事者による本人確認措置を講じた上で公開鍵暗号方式による電子署名の手続きがおこなわれることで、契約当事者による契約であることを確認できると考えられる」との見解でした。本人確認が出来ているメールアドレスを登録して、そちらを身元確認とする形で本人性を証明することでも問題はないとのことです。保存したデータをいつでも見られるようにしたり、閲覧や印刷が出来る見読性と、改ざんされていないというタイムスタンプで原本性を確保することで、建設業の契約書は電子契約でも問題はないとのことです。

まとめ

 以上が、建設業と電子契約についてでした。紙と電子、メリットデメリットは双方あります。保管に場所を取りたくない、なくしてしまう可能性があるといった方には電子契約がおすすめです。弊事務所では、建設業許可申請の代行をはじめとした関連業務を承っております。また、電子契約に関してもご興味がありましたら、宮城県以外の方でも是非お気軽にご相談ください。本記事をお読み頂き、誠にありがとうございました。